僕がアップルで学んだこと 環境を整えれば人が変わる、組織が変わる
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【感想】
アップル・ジャパンに入社し、米アップルのシニアマネージャーの地位にまで上り詰めた日本人の著者。
著者のブログを元に書き起こしたという本書は、Apple社内にいたからこそ説得力のある内容でとてもおもしろく一気に読めてしまった。
著者は、合計17年間Appleに在籍し、その間Steveに直接あって仕事をしたのは2〜3回というから、如何にSteve Jobsが雲の上の存在だったのかが伺えた。
1990年中頃には、いわゆる腐ったりんごになっていたAppleが、どのようにして現在までの復活を果たすべく成長・発展して行ったのか。
何が変わったのか、など、V字回復の真因やその際行われた施策などをApple社員内部の視点から教えてくれているのが興味ふかい。
著者の題名にもあるが、やはり環境が一番大きな要因だという。
腐ったりんご時代のAppleは、誰が何をやっているのかが明確ではなく、その責任の所在も不明確であった。
しかし、Steveが戻ってからは、恐怖政治というほどのギャップで社内体制に秩序が戻り、責任の所在が明確になった。
そして、とにかく仕事、仕事、仕事。
他の会社のスタッフは、集中と情熱に欠けていると感じるほどAppleは別格な集中を仕事に必要とする。
また、社内政治が熾烈で、他の会社がおままごとに感じるほど、Appleの社内政治は厳しい環境だと教えてくれている。
それを、「右手で握手して、左手で刺す」と例えている。
自分がいかに上司の役に立つのかを常にアピールし、それに伴う実績と成果を出せないようでは直ぐに放り出されるという。
著者は将来Appleがダメになるようなことがあるとすれば、それは社内政治によってもたらされると断言している。
Apple社員の話し、もっと聞きたいと思いました。
第二弾、第三弾を読みたいと思いました。
